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「サルトリイバラ喫茶室」試(ココロミ)ノート 「美味しさ」の指標①

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当店で提供する紅茶・ハーブティー・酒類(一部減農薬)は

農薬を使用せず多肥料ではないものだ。

自然栽培のものもある。

 

当店で提供する食事やおやつの原料も同様。

茶に合わせできる限り国産の農薬を使わないもので、

というのが今の試みである。

 

ずっと以前に私がオーガニック食材について話していた際に

「じゃあ、それって美味しいの?」

と聞かれたことがある。

 

その問いは今もずっと私の頭の片隅にある。

 

オーガニック(有機マークの意味ではなくここでは広義の意味で)は美味しい!

と言い切ってしまうこともできようが

答えはそう簡単ではない。

 

オーガニック食材は「味が濃くて旨味があるから美味しい」と誤解を与えてしまいかねない。

未だオーガニックは濃厚だが癖があってと思っている人も多い。

 

農薬を使わず肥料も与えないか極力控え好く育った野菜は

濃くて旨味が増すのではなく味わいが過剰でなく程よく舌にのり

驚く程クセ(灰汁)も少なく甘みを感じ「あっさり」としている。

 

形はやや小ぶりに整い

食感はきゅっと締まった歯ごたえがあり筋ばっておらず

水分が「適度」で細胞がしっかりしているため調理で煮崩れしにくい。

有機栽培でも過剰な肥料で育った野菜は

慣行栽培のものとあまり変わらない風味や食感であったりもする。

蕪など水分の多い根菜類はその違いが比較的わかりやすい。

 

月ヶ瀬の作り手、岩田さんの茶園を案内していただき

岩田さんに茶樹をみせていただきながらお話をうかがった時にも

ああやはりそうなんだなと改めて思った。

 

しかし過剰な旨味や濃味になれた舌に

その魅力は簡単には伝わらないかもしれないとも思う。

 

茶の場合は栽培法に加え製茶という工程が加わるため話はさらに複雑化する。

素材(茶葉)の持ち味を生かすも殺すも

作り手の腕次第である。

 

自然食という仕事に携わり

自然食店で販売されている茶もいろいろと飲んできたが

「あっさり」と飲みやすくはあるものの、

「美味しい」の標準をどこに合わせていいのか正直戸惑うことも多々あった。

 

当店に来店される方との

「美味しさ」の接点。

当面手探りで、要領悪く探していきたい。

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