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「サルトリイバラ喫茶室」的 時には穏やかに甘く

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東日本大震災から10年が経過した。

震災で亡くなった方々に改めて哀悼の意を表するとともに、ひとりでも多くの被災された方々が穏やかな日常を送っていることを心から願う。

今日は、当店の花の香りの国産ハーブを使ったアレンジティーを。

宮崎県内海で育った、香り高い無肥料無農薬の自然栽培ハーブ、ローズゼラニウムとホーリーバジルの穂を少し濃いめに抽出し、温めた牛乳と国産蜂蜜を加えた。

国産紅茶と同じく、ハーブもストレートで飲むのが日常だが、時にはこんなアレンジティーを口にしたくなる時がある。

牛乳と蜂蜜がハーブの香味を緩和し、カフェインが接種できない方、ハーブの強い風味が苦手な方でも楽しんでいただきやすい。

ほんわりと角のない甘く優しい風味は、多少なりとも落ち着かない気分をほぐす手助けになるかもしれず、ナイトティーにもよいだろう。

コツというほどではないが、良質な原料を使い、ハーブは100度近い熱湯で抽出し、牛乳は沸騰させない程度に温めること。

蜂蜜は味わいの奥行きに貢献するが、加え過ぎるとハーブの繊細な香りを感じにくくなってしまうため、最初は少なめにして、足りなければ味見しながらほんの少量ずつ加える方がよい。

10年前の未曾有の震災は、被災地の方々の大変さに比べたら、自分が置かれている状況は大したことではなかった。

それでも情報は溢れ交錯し、心身共に落ち着かない日々が続いていた当時、店主は皮肉にも夜におとずれた計画停電の真っ暗な静寂にふっと救われ、現実は何も変わらなくともとても気持ちが落ち着いた経験がある。

静寂の中、懐中電灯の明かりの下で読んだ本、口にした温かいお茶、ジーっと響く時計の針音、時折通りから聞こえる人の声や車の音。

それまで以上にたくさんのブレンドハーブを作り、控えていた「茶」をまた飲み始めたのもこの頃からだ。

その小さな経験がもたらした、感覚的な解放感あるいは空白に近い充足感とでもいうべきものは、今でも思い出すたびに、あの時の時間と感覚があれば大丈夫、と店主に思わせるだけのパワーがある。

きっかけは計画停電だが、日頃の過剰な情報や喧騒から距離を置き、静かに過ごすひと時。

直接的には繋がらないが、何か別の引き出しを開けるような感覚。

それを念頭に置きながら数年後に店を出した。

実際はすんなりとはいかないが、日々生じる課題に失敗と再考と実行を重ねながら、少しずつ店を形にしている。

その中で予期せぬパンデミックが起き、またたくさんの気づきがもたらされ、じっくりと向き合っている。

これから先はさておき、当店で静かにゆっくりと、各地のお茶と束の間向き合い、閉塞的な状況の中でふわりと感覚が開くようなことがあれば、嬉しい限りです。

※当店をご利用の際は、当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。

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