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「サルトリイバラ喫茶室」 美味しさの指標③

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店主のごく個人的なつぶやき。

 

私たちは大量生産、大量消費、

そして、、大量廃棄の現代に生きてる。

 

初めて自然食関連の飲食業に携わったとき、

残された食事の多さに驚いた。

 

私がもったいないねというと

スタッフから「仕方ないですよ、私飲食店長いから慣れましたよ」

と一言。

 

自然食材を扱っているのにブロイラーを使っていたスタッフに

ブロイラーはやめたほうがいいのではと提案したところ

「〇〇さんは飲食経験がないから、原価率考えたことあります?」

と返事が返ってきた。

 

その後すぐに私が店長となりレシピを立てることになったとき、

ブロイラーをやめ、使う油や調味料を自然に近いものに変更していった。

ありがたいことに残ったスタッフが私の意見に賛同してくれ

一緒に食材探しをした。

 

同時に私は

作り置きを廃棄しなくてよいレシピ

少ないスタッフでも順序よく作れるレシピ

何よりお客様に満足感があり残さず召し上がっていただけるようなレシピ

の考案を試み実効した。

 

お客様がお支払いしたとはいえ、

原価率には廃棄率も含まれると私は考えている。

 

全てのお客様が美味しいと思ってくださったとはもちろん思わない。

 

しかしそのかいあって廃棄率は激減した。

まかないは野菜クズスープがメインになってしまったが。。

 

同会社の事務所勤務になった際、

無農薬・オーガニックの食材を期限切れあるいは表示不良のため

大量に廃棄しなくてはならなくなったとき、

ブームに乗って仕入れた商品が売れなかったからと

腑に落ちない理由で大手取引先から大量の賞味期限間近の返品があったとき、

「私たちはいつか地獄に落ちるな」と思いスタッフに言ってみたが

「仕方ないですよ」とあっさり言われ

怒りの向けどころがわからず悶々としてしまった。

 

「仕方ない」と完結させることはあまりに簡単だ。

 

豊かさとはなんだろう。

 

皿の上の好きなものだけを食べることなのだろうか。

商品棚をきらびやかにするためだけに一時の流行りの食材を並べることだろうか。

安価な添加物まみれの食品で腹を満たすことなのだろうか。

 

無農薬・オーガニック食品は安くはない。

自然栽培も「ほったらかし」農業ではない。

作る人が農薬の代わりに「手間」をかけているからだ。

お茶になるとさらに製茶という繊細な工程が生じ

より良いものを作ろうとすればさらに手間はかかる。

 

オーガニックは金持ちの道楽だと言われたこともある。

実際、食べて欲しい人の手には届かないことの方が多い。

しかし、それは本当にそれで片付けてよいのだろうか。

 

私にその明確な答えは一生出せないかもしれない。

でも、一生考え続けることはできるかもしれない。

 

私は飲むこと食べることが大好きだ。

人が美味しそうに飲んだり食べたりする姿を見るのが大好きだ。

 

そんな考えを抱きつつ、

私が試み始めた喫茶店はまだほんの駆け出しだ。

 

ここに書き記したことは試みを支ええるほんのひとつだが、

試みがぶれないよう

年末前に少し書き残しておいた。

 

 

 

 

 

 

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