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「サルトリイバラ喫茶室」的 高らかにきりりと。

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金木犀の香りが彼方此方から漂っている。

この花がおわると、ぐんと秋らしくなる。

週末は台風の進路も心配である。

各地で被害が出ないことを祈るばかり。

茶が大陸から日本に伝来して今日に至るまで、茶所として名を馳せる佐賀県嬉野(うれしの)。

標高は高くないが、寒暖差がある茶作りに適した土地から、今年の夏摘み茶を入荷。

先ずはふじかおりの2ndフラッシュと、山梔子(くちなし)花香を纏わせた花香紅茶の2種類をご紹介。

当店の紅茶の中でも、夏摘みらしいしっかりとした苦渋味が特徴の紅茶だ。

ふじかおりは、きりっとした心地よい苦味渋味に、コクと旨味感のある飲みごたえある味わい、口に含むとふわり華やかに茉莉花(ジャスミン)に似た花香が広がる品種で、釜炒り緑茶でもその華やかさが光る。

生産量の少ない希少な品種でもある。

作り手の今年のふじかおりの2ndフラッシュ(初夏摘み)は、ふじかおりのコクと苦味渋味が活きており、ごくりと飲んだ後にジャスミンに薔薇の花びらを数枚落としたような甘く心地よい花香の残香を存分に感じられる。

しっかりと深い味わいから、派手ではなく奥ゆかしく香る、香味のバランスが絶妙な紅茶。

いかにも国産紅茶らしくもあるのだが、緑茶がお好みの方にも、しっかりとした味わいの海外の紅茶がお好みの方にも親しみやすい紅茶に仕上がっている。

ほんの少し(好みだが、個人的にはほんの少しがおすすめ)牛乳を落としたり、クリーム系のおやつと合わせても良さそうだ。

もうひとつは、山梔子(くちなし)の花香を紅茶に纏わせたもの。

国内外問わず、紅茶や烏龍茶でくちなしの花香を想起させるものは多いが、こちらはジャスミン茶のようにくちなしの花の香りを茶に付加したもの。

いわゆるフレーバーティーだ。

こちらの作り手は、金木犀の花香をはじめとして、花の香りを紅茶に付加しバランスよく仕上げる技にとても長けている。

2ndフラッシュらしいしっかりとした奥行きと苦渋味のある紅茶から甘いくちなしの香りが高らかに香る。

飲み終えた後もその香りが喉に長く止まる。

いかにもくちなし花そのものの香りを放ち、くちなし様の香りを感じさせる茶とはまた全く異なる、独特な香りの残り方だ。

香りでリラックスしながら、きりりとした紅茶の味わいで気持ちがしゃんとするような仕上がりになっている。

香り味わいには、バランスがある。

もちろんバランスがいいと感じるか否かは、飲み手それぞれの味嗅覚の感じ方と嗜好によるところがかなり大きい。

それでも品種らしい特性が過不足なく感じられたり、香りや味わいが背離せずに互いに支え合っていると感じられると、意識せずともバランスがいいと感じられやすいだろう。

作り手の茶を試飲しながら、そんなことを改めて考えた。

気象の影響で、花が全然香らずフレーバーティーができなかったり、思うような紅茶ができなかったり。

どうしても技術では埋められない運としか呼べない状況もある。

今後も続くであろう予想できない状況に、作り手たちがどのように対処していくのか、また作り出そうとするものにどれくらい意識的であるか、ただ差し出された茶を選び飲みながら、そしてみなさまにご提供しながら見守ることしか出来ないが、見守り支える人が増えること、自分の住む土地でどんなものが作り続けられているのかに関心を持つ人が増えることを願う。

当店では自宅とは異なる静かな環境で、国産紅茶と、時におやつやお食事とご一緒にお楽しみいただきながら、みなさまがお茶の風味に出会う場所となれば誠に幸いです。

 お茶は通販サイト(https://shop.sarutoriibara-kocha.net/)でもご購入いただけます。

 ※コロナウイルスの感染は拡大しております。当店をご利用の際は、当店の階段登り口あるいは扉に貼っている、コロナウイルス感染対策の注意書きを必ずご一読いただき、ご納得された上でご入店ください。

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