各地で大雨らしい。
被害がないことを祈る。
海の香り漂い、穏やかな気候とのんびりとした雰囲気の神奈川県小田原。
その地の作り手から、今年もやぶきたという品種で作られた、フレッシュな風味の春摘み紅茶を入荷。
ご存じの方も多いであろうが、やぶきたは緑茶用品種の代表。
インドのダージリンには中国種の茶葉で作られる素晴らしい紅茶があり、緑茶用品種のやぶきたも同じ中国種であることから、やぶきたを使って美味しい紅茶ができるはずだという考えのもとに就農し、紅茶作りに取り組んでいる作り手。
今年は昨年より少し遅い入荷。
今年は、昨年の桃色月のようなスペシャルティーはないものの、ダージリン1st(=春摘み)を彷彿とさせる安定のクオリティに仕上がっている。
茶葉から引き出される、瑞々しく甘い香りが特徴的。
柑橘香を帯びた甘い香りに、とろみのある口当たり。
その甘さを引き締める、やぶきたらしい渋味。
当店では、青く甘いフレッシュさと萎凋(葉を萎れさせた際に引き出される香り。萎凋には作り手の感と技術が不可欠。)により引き出された花香の余韻をしっかりと感じつつも、酸の香味を感じないロットをセレクト。
ダージリンにも似ているが、もっと軽やかで独特の清らかさがあり、するりと喉を通り甘い残香で潤すような作り手の紅茶。
春摘みのダージリンがお好きな方から煎茶がお好みの方にも違和感なく受け入れられそうな仕上がり。
当店で桃色月と名付けた、昨年の甘いスペシャルティーなども、甘い香気が引き出され是非お試しいただきたい状態になっている。
是非両者を飲み比べて楽しんでいただきたい。
ますます腕を上げ、作り手は特有の清く甘い花蜜の香、「こゆるぎの香り」を安定的に紅茶に纏わせるようになった。
今後の展開がますます楽しみな作り手のお茶。
食糧危機が話題にもなる中、日本の就農者は年々減少している。
就農には資金が必要。
農家ではない方々が農業・茶作りをやりたいと思った時に、また先代を引き継ぎつつも新たなことをやりたい就農者に対して、さまざまにサポートされる仕組みが作られ、その農産物を私たち消費者が楽しむ機会をより多く得られる豊かな社会になってほしいと願う。
そしてその時に、当店で扱う無農薬で茶づくりをする農家のような就農モデルがあると、小さくも大きな希望になるのではないかと、ふと考えさせる素敵な紅茶。
当店の静かな空間で、その風味をゆっくりとお楽しみいただけますと幸いです。
こちらで紹介する紅茶は、店内だけでなく当店通販サイトでもご購入いただけます。
通販サイト
https://shop.sarutoriibara-kocha.net/
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