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「サルトリイバラ喫茶室」原みどり個展「年輪宇宙とScratch Universe」について⑥

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現在開催中(5月18日まで)の、原みどり個展「年輪宇宙とScratch Universe」。

前々回は原みどりさん( https://haramidori.com/)の作品、「年輪宇宙」と「Scratch Universe」が、“樹木の生命”を考えることや身の回りで起きている”樹木の伐採”をきっかけに誕生した作品であること、そしてそれらが、観る側が樹木について意識的になることを促し、樹木と人間、ひいては自然と人類の関係への問いかけを含んだ作品であると店主が考えている旨をお話ししました。

東京では、「再開発」という名目で明治神宮外苑や日比谷公園、葛西臨海公園での大規模な樹木伐採が次々と進んでいます。店主の身の周りの出来事に目を向けると、当店が所在する杉並区でも、かつて区が「守るべきみどり」として選定していた阿佐ヶ谷の”欅屋敷”(けやきやしき)と呼ばれる貴重な屋敷林が2年ほど前に伐採されてしまったり、最近では樹齢150年以上の保護樹木で御神木とされていた西荻窪のけやきの木が、保護樹木の指定を解除され伐採されたりといったことが続いています。私たちが気がつかないうちに、私たちよりも長い年月を静かに生きてきた木々、私たちに多くの恩恵を与えながらこれからも生き続けられたはずの生命を、「ともに生きる」ことは考えず伐採してしまう愚かな暴挙。

こうして恩恵の大きい樹木を失いつつある私たちは、これからさらに厳しくなるであろう気候変動に、よりダイレクトに晒されることになるのでしょうか。あたかも“報い”を受けるかのように。その“報い”を最も多く受けるのはこれからを生きる子どもたちだということを思うと、暗澹たる気持ちになります。

原さんは樹木を人間よりもはるかに崇高なものとして捉え、樹木への敬愛を作品に込められています。人間は樹木なしには生きられないけれど、樹木は人類の歴史が始まる遥か昔からこの地球で静かに生きてきた存在です。原さんの作品やその解説を見つめながら、そんな当たり前の事実が店主の頭に浮かび、その当たり前をきちんと受け入れることで、人間はその傲慢さや驕りを少しは改めることができるのではないか?などと考えています。

原みどりさんの作品をみなさんにも思い思いに鑑賞いただき、ご自身の身の回りの樹木について考えていただくきっかけになれば嬉しいです。

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